【フィナンシェ:個包装】商品の袋づめ作業がなくなり、包装作業時間が短縮!

コパックン(自動包装機械)

佐賀県鳥栖市にある株式会社ベルクリエイティブフーズさんは、お菓子の卸販売を専門にされている会社です。


▲ブルーのドアのかわいい外観

ベルクリエイティブフーズさんが運営するケーキショップ「ke-ki(ケーキ)」では、1日のうち追加でケーキを焼いたりはしません。「売り切れたら終了!」のスタイルで、完全受注生産&売り切れごめんを徹底。これにより、なんと年間のロス率はたったの1%! 無駄を出さない、お菓子づくりの理想形を実現しています。


▲夕方に行くとほとんどのケーキ、焼き菓子は売り切れです(汗)

そんな卸販売を中心に展開する中で出てきたのが、「焼き菓子の個包装を手作業でやるのが大変!」という課題。 製造数が増えれば増えるほど、手作業では追いつかず、時間も手間もかかる状態になっていました。

今回は、そんな現場の悩みを解決するために松尾社長が導入を決めた「自動個包装機コパックンJr」の導入の経緯や使ってみての感想を詳しく伺いました! 焼き菓子の個包装作業に悩みを抱えている方にとって参考になる事例です。

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フランス菓子店「ke-ki」
地域:佐賀県鳥栖市
業種:菓子製造・販売・卸業
導入機械:自動個包装機コパックンJr
包装商品:フィナンシェ、クッキー
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自動個包装機を導入したきっかけ

「これはいい!」展示会で即決

ベルクリエイティブフーズの松尾社長が自動個包装機「コパックンJr」と出会ったのは、三邦コーポレーションが出展していた「西日本食品産業創造展」でした。

「展示会で三邦コーポレーションさんのブースを見たときに、まず目を引いたのがコンパクトなサイズ感でした。一般的な個包装機は全長3〜5メートル、大きいものだと10メートルを超えることもあります。そんな機械、うちの作業場には到底入りません。でもコパックンJrは驚くほどコンパクトで、しかも製品を横に流して包装する横型タイプ。こんな形は初めて見ましたね。『これなら置ける!』とピンときたんです。」

展示会のデモンストレーションを見て、その場で「買います!」と即決したそうです。


▲綺麗に作業場に収まっているコパックンJr

シンプル設計で誰でも使える

もうひとつ、松尾社長が魅力を感じたのが、機械のシンプルさでした。

「最近の機械はコンピューター制御のものが多くて、故障すると基盤ごと交換しなきゃいけない。そのたびに修理費もかかるし、操作も複雑になってしまう。でもコパックンJrは、いい意味でアナログ。アルバイトの学生スタッフでもすぐに操作できるくらい、シンプルな作りがいいですね。」

実際に、ベルクリエイティブフーズでは学生スタッフさんが個包装作業を担当していました。

「うちは限られた人数でやっているので、誰でも操作できる機械っていうのがすごく助かるんです。」

コンパクトで扱いやすく、導入後すぐに現場で活躍できる。これが松尾社長がコパックンJrを選んだ大きな決め手でした。

導入後の効果

置くだけで包装が進む!作業時間の大幅短縮

「以前は、焼き菓子の個包装をすべて手作業でやっていました。」


▲一番はじめは卓上シーラーで個包装

ベルクリエイティブフーズでは、焼き菓子の卸注文が多く、段ボール10箱分の注文が一度に入ることが当たり前。その包装作業は、

・袋を取り、エージレス(脱酸素剤)を入れ、
・商品を袋に詰めて、
・シーラーで封をする

という流れ。

「一つひとつ手作業でシールしていたので、ものすごく時間がかかっていました。商品1つを袋に詰める時間は約15秒。これが1000個となると、単純計算で4時間以上かかるわけです。」

コパックンJrを導入したことで、作業の流れが大きく変わりました。

「コパックンJrなら、袋を取ってエージレスを入れて…という袋詰めの工程が不要。お菓子をセットしておくだけで、次々に包装されていくんです。 実は封をするだけの時間を考えると、シーラーで手作業したほうが早い場合もあるんですが、問題は袋に詰める時間。この工程が省略されることで、作業全体のスピードが大きく変わりました。」


▲フィルムの上にフィナンシェと脱酸素剤を置くだけ!

ただ、すべての焼き菓子がコパックンJrに適しているわけではなく、商品によっては従来のシーラーも併用しているそうです。


▲商品によっては自動シーラーと使い分けて包装する

「たとえば、マドレーヌなどの形状が特殊なものはシーラーのほうが向いている場合もあるので、コパックンJrと自動シーラーを使い分けています。でも、うちの主力商品でもある
フィナンシェやクッキーなどはスムーズに流せるので、焼き菓子の個包装が格段に楽になりました。」


▲クッキーの個包装にも自動個包装機コパックンJrを使用しています

コパックンJrの導入が、新たな大口注文にもつながった!

実は、コパックンJrを導入したタイミングで、ある大きな仕事が舞い込んできました。

「ちょうど機械を購入した後、ドバイのエミレーツ航空のファーストクラスに提供するフィナンシェの注文が決まったんです。『月に6000個作ってほしい』と。」

今までの作業プラス月6000個をコンスタントに出荷するとなると、手作業ではとても追いつきません。ちょうど機械を買ったタイミングだったので、本当に助かったそうです。


▲ドバイのエミレーツ航空からの依頼で作られたフィナンシェ

自動個包装機の活用法

使い方は自分たちで最適化

コパックンJrを導入して1年ほど。大きな故障もなく、順調に稼働していますが、細かな部分では調整が必要になることもありました。

「シールの具合で脱酸素剤の脱気がうまくいかないことがあったり、フィルムの高さ調整が微妙にズレることがあるので、そこは試行錯誤しながら調整しています。でも、最初のころに比べて、フィルム交換や微調整のコツもつかめてきました。」

ベルクリエイティブフーズでは、包装の品質を確保するため、翌朝に1個ずつ脱酸素剤がしっかり機能しているかを確認しています。

「今のフィルムはデザインの関係で、中の脱酸素剤が見えにくいんです。そこで、次回からはフィルムデザインを変更し、一部を透明にして脱酸素剤が確認できるようにする予定です。」


▲脱酸素剤が機能しているか確認できるように裏面のデザインを思案中

コパックンJrを導入してから、ベルクリエイティブフーズではよりスムーズに使えるよう、自社で工夫を重ねながら活用しています。

まず、「滑り台」の設置。


▲高さの調整をしながら取り付けられた滑り台

「この滑り台を特別に作りました。 角度を調整して、どうすれば商品がスムーズに滑り落ちるかを試行錯誤しました。結果、包装されたお菓子が詰まることなく、スムーズに流れるようになったんです。以前はここに溜まってしまうと、そのたびに機械を止めなければいけなかった。でも、このちょっとした差があるだけで、作業がノンストップになりました。」

また、脱酸素剤の置く場所にも工夫が。

「エージレスをマグネットで固定して、取り出しやすくしたんです。作業の流れがスムーズになって、これもかなり効率アップに貢献してますね。」


▲すぐに脱酸素剤が取れるように100均で購入して付けられた脱酸素剤置き場

コパックンJrを導入して以来、ベルクリエイティブフーズでは、よりスムーズに使えるように現場で工夫を重ねながら活用しています。

品質を守るためのスピード調整

「機械のスピードを上げすぎると、シール面が熱くなりすぎて焦げ付くことがあるんです。『生産性を上げよう!』と思ってスピードを速くしたら、逆に不良品が増えてしまうことに。不良品を出さないようにしっかり作る。それが結局、一番早く、効率がいいですね。」

特に、ベルクリエイティブフーズの焼き菓子は脱酸素剤を入れて常温販売するため、しっかり密封されていることが品質維持の鍵になります。

「冷凍商品だったらもっとスピードを上げられるんですが、常温販売だと酸素が残るとカビが生えるリスクもあるので、ここは慎重にやらないといけないんですよ。」


▲鳥栖商工会議所の広報誌。松尾社長の娘さんがコパックンを使っている画像が掲載されています♪

こうした現場の声を活かしたアイデアが、より良い商品づくりや包装の進化につながる。コパックンJrは、導入後も現場に合わせた改良を続けながら、ベルクリエイティブフーズの個包装作業に欠かせない存在になっています。

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